胸に飛び込むように抱きつく私の背中には彼の力強い腕がまわり、私をギュッと抱きしめる。
石野さんが好き。
それでも私は口にすることが出来ずに心の中で何度も呟いた。
「本日はご来場ありがとうございます。ーーー」
音楽と共に流れるアナウスが響き渡りビクリと体を揺らす私をクスクスと笑いながら石野さんの体は私から離れていった。
「結局、羊と遊べないまま閉園時間になっちまったな。」
今度またゆっくり遊びにこようなって続けられた言葉に笑顔で答えて私は石野さんの背中を追った。
斜面をスルスルと下りる石野さんは振り返り手を差し伸べてくれる。
彼の大きな掌の上に自分の手をのせるとギュッと握られてあたたかかった。
「せっかく来たんだ。少し急ぐぞ。」
握りしめた手をグイグイ引っ張りながら歩くスピードを上げる石野さんに私は引っ張られるようにして歩いた。
着いた先は入場門の近くだった。
「ここで待ってて。」
門のそばに私を置いて駆け出した彼の先にはお土産物の置かれている売店だった。
閉店作業中の店員さんと話しをしている彼の姿が見える。
彼は何度も店員さんに頭を下げて売店の奥に入っていった。
何かを店員さんにお願いしたのだろう。
だけど彼の行動の理由は私にはわからない。
ただ私は彼に言われたままおとなしく待つだけ。
だけど彼はすぐに戻ってきた。
両手にソフトクリームを持って、


