「紫衣は信じてないの?」
両肩を掴んだ彼の手に力が込められた。
痛みが走る肩。
顔を歪ませる私を見下ろす彼の目は冷たい。
「大好きな人を信じていないのか?」
お兄ちゃんを信じていない?
優しく聡明なお兄ちゃん、自分よりも周りの人を思いやり自分を攻め続けた姿を思い出した。
「信じてる!!お兄ちゃんを信じてるよ。」
石野さんの冷たい瞳を睨みつけるように言葉を発した。
そんな私を見て石野さんはフッと笑って言葉をくれた。
最上級の笑顔と共に、
「なら、大丈夫だ。
紫衣は何も心配することはない。」
凛とした態度で私に話す石野さんの姿は私に希望と安心を与えてくれた。
そして暗闇に一筋光が差した瞬間だった。


