勝利の女神になりたいのッ!~第1部~



ドキドキと激しく動く胸の音が耳の奥に木霊する。


「紫衣が好きだ。」


ギュウギュウと抱きしめる石野さんの腕の中は苦しく、でもとても優しかった。


だけど私がしたことは今後どのように現代に影響するのか、石野さんの生きる今をひっくり返す結果を呼ぶのかもしれない。


不安と申し訳ないという気持ちが心の中で大きく膨らんでいた。


スルリと腕から抜け出して石野さんの正面に立った私は全ての不安を彼にぶつけたんだ。


「お兄ちゃんを助けたいばかりに私は何も考えていませんでした。
ただ、大好きな人に笑ってもらいたいという気持ちで歴史を歪ませることはこの世界も歪ませてしまう。それに気付いてなかったんです。
ここにきて怖くなりました。
この世界がどんな風に変わるのか…
どんな道が出来るのか…
私はとんでもないことをしたのかもしれないと考えるととても怖い。

怖いんです。」



私の罪は大きいのかもしれない。


石野さんの生きる世界を、私のせいで壊してしまうのかもしれないんだ。

そんな罪深い、浅はかな私を知って欲しかった。

こんな私を知ってもあなたの心は変わりませんか?


そう問いたかったのかもしれない。


そして、私は許されたかったのかもしれない。


浅はかな行動で招いた大罪を大好きな彼に許してもらいたかったのかもしれない。


全てを知ってもあなたは私を抱きしめてくれますか?