私自身まだ本当に不思議だと思う話を石野さんに全て話した。
「お兄ちゃんを助けたかった、ただそれだけだったんです。
そして、私は知らず知らずのうちに橋の向こうに渡ったお兄ちゃんをこの世界で探していたのかもしれない。だから石野さんと出逢ったとき運命なのかなって思ったんです。
でも、運命なんてどうでもいい。今はそう思います。」
話し終えると石野さんはとても悲しそうな表情を浮かべていた。
「運命か....。どうして、もうどうでもいいって思ったんだ?」
それは石野さんのことをとても好きだから...。
運命に決められたんだと思えないくらいあなたに惹かれるから...。
恥ずかしくて口にすることのない言葉を心の中で噛み締めた。
迷惑?
私があなたを好きだなんて、あなたにまた負担を掛けてしまうんじゃないの?
不安が募った私は石野さんに何も言えなかった。
ふいに肩を抱く彼の手に力が入った。
「運命の人が他にいたのか?」
俺じゃないのか?苦しそうに歪んだ石野さんの表情が瞳に飛び込んできた後私の体はスッポリと石野さんの体に包まれたんだ。


