石野さんから離れて走って走ってたどり着いた場所は一面緑に覆われている世界。
緩い斜面は草で覆われていて羊がたくさんいた。
草を食べている羊。
寝そべっている羊。
走り回っている羊。
とても自由なその姿にギスギスとした心は一気に癒された気がした。
それと同時に独りぼっちだと、とても悲しくなった。
草の上に腰を下ろして羊たちを眺めている自分は世界にたった一人にされたような気がしたんだ。
とても高いところまで登ってしまった私の周りに人はいない。
少しの羊だけが私の周りで寛いでいる。
もっと下のほうにはたくさんの人と羊。
体を寄せ合った恋人たち。
父親に肩車をしてもらっている子供。
幸せそうなその姿に私の瞳からは溢れ出る涙が零れ落ちた。
運命の人なんて嘘なのかな?
運命なんて何もないのかな?
私は一人で生きていくのかな?
この世界で独りぼっちのままお兄ちゃんと紫衣の歩いた足跡を探すだけが私の役割なのかな?
寂しいな...。
独りぼっちは寂しいよ...。


