ドタバタと廊下を走る足音が聞こえた。
一緒にお菓子を食べながら話し相手をしてくれている朱里さんは一気に顔色を変えた。
その様子を見て穏やかだった時間が終わりを告げたかのように不安になった。
ガラリと激しい音を立てて開けられた襖。
飛び込むように入ってきたのは左近さんだった。
「水をくれ!!」
言うと同時に左近さんは水の入った湯飲みを朱里さんの手から奪うようにして一気に飲み干した。
「どうしたのですか?騒がしいですよ。」
ドキドキと高鳴る胸を押さえて動けない私とは違い、朱里さんは冷静に態度のまま左近さんに尋ねていた。
「殿が紫衣に逢って下さるそうだ。」
一息ついたように湯飲みを朱里さんに渡しながら左近さんは言葉を落とした。
「まぁ、それはようございました。」
嬉しそうに両手を胸の前で合わせる朱里さん。
「どういうわけか承諾してくれたのだ。」
左近さんも嬉しそうに応えている。
殿に逢う?
三成に?
逢うの?
いつ??!!


