おいで… こっちにおいで… ボンヤリした様子の紫衣に向って手招きをした。 真っ暗闇の中は紫衣は私の呼ぶ方向にフラフラとした足取りで進んでくる。 「お姉ちゃん。」 間違ってないよね? 紫衣をずっと見てきた私。 だけど接触を持つのは今が初めて。 今なんだよね。 今紫衣を導かなければいけないんだよね。 私は不安を押し込むようにして自分に言い聞かせた。 そして私の近くまで来た紫衣に小さな手を差し伸べたんだ。