「名前はなんと言う?」
「紫衣。」
「お前はどこに住んでいるのだ?」
「ここに紫衣のおうちはないの。紫衣はお空の上に住んでるの。」
ちょっぴり意地悪な答えをお兄ちゃんに返した。
「そうか。紫衣は神様の申し子なのだろう。」
笑いながら私の話をまともに聞いてくれないお兄ちゃんに思いっきり不服そうな表情を浮かべて見せた。
「どうした?」
お兄ちゃんは首を傾げながら私と向かい合うように抱き上げて膝の上に座らせた。
「忘れちゃったの?」
「何を?」
「お兄ちゃんが紫衣を呼んだんだよ。助けてほしいって...。」
「俺が?」
覚えているはずがない。
今言ってることはお兄ちゃんは知らなくて当然なのに私は寂しさからとても意地悪なことばかりお兄ちゃんにぶつけた。


