毎日川原で過ごす私のところにお兄ちゃんも頻繁に顔を出してくれるようになった。
疲れているお兄ちゃんの顔を見て心がとても痛んだ。
紫衣を連れてくる方法がまるで解らない私はお兄ちゃんの役に何も立っていない。
いつも持ってきてくれる甘い干菓子を一緒に食べることだけが私とお兄ちゃんの時間。
「また来る。」
いつの頃からかお兄ちゃんは私に言葉を掛けてくれるようになった。
私は川を必死に覗き込んで方法を探していた。
次の日も川原で川を覗き込んでいた。
紫衣は日に日に元気がなくなっていく。
紫衣の大好きな良君と真衣ちゃんのことから目を逸らせなくなった紫衣。
部屋で毎日のように泣いている姿がとても痛々しい。
馬の蹄の音で私は川から川原に視線を移した。
お兄ちゃんの姿。
なんだか寂しくなってお兄ちゃんに駆け寄った。
ビックリしたような表情をしたお兄ちゃんは私の頭をグリグリと乱暴に撫でてくれる。
不器用な、それでも優しいお兄ちゃん。
「お兄ちゃん大好き!」
私は遠慮を忘れてお兄ちゃんに飛びついた。
戸惑いながらも私を受け止めてくれるお兄ちゃん。
なんだかお兄ちゃんと二人だけの世界にいた時と同じ気持ちになった。


