だけど紫衣を連れてくる方法が解らない。
どうやって私と紫衣が入れ替わるのかその方法が全く解らないんだ。
川原で考えに耽っていると馬の蹄の音がした。
期待を込めて振り向くとお兄ちゃんがいたんだ。
冷たいお兄ちゃん。
だけど嫌われているんじゃないって信じて私はお兄ちゃんの側によって挨拶をする。
何も話さないけど一緒にいることが嬉しかった。
川の流れを二人で並んで座ったまま見ているだけの時間を退屈だとも思わなかった。
短くもなく長くもない、それでも穏やかには違いない時間を過ごしてお兄ちゃんは帰っていく。
帰り際お兄ちゃんは馬に跨ったまま私を手招いて近寄っていった私の頭を大きな掌でクシャリと撫でてくれた。
お兄ちゃんの掌のぬくもりに私の目には涙が浮かんでいた。
それを怖がったからだと勘違いしたのかお兄ちゃんはバツの悪そうな苦笑いを浮かべて私の手に小さな包みを乗せて馬で走り去っていった。
小さなその包みは甘い干菓子だった。
口の中に入れると甘さが広がる。
とても綺麗な干菓子はお兄ちゃんみたいだった。
「また逢いたい。」


