それからのお兄ちゃんは冷たい表情ばかりではなくなっていた。
だけどもう一つ足りないとしきりに言葉にしていた。
何が足りないのかはもう想像はついていた。
長くお兄ちゃんが一人で過ごした時間を見ているうちに私は悟ることが出来た。
お兄ちゃんに特別な感情を持つ400年後の世界に生きる紫衣。
彼女をお兄ちゃんの側に呼び寄せるための犠牲者。
それが私なんだ。
なんだ、そんなこと?
そう思えるのはお兄ちゃんのやさしさに触れたから...
お兄ちゃんを好きになったから...
そしてお兄ちゃんが私のことを考えて私を一人にしたから...
寂しさに押しつぶされそうだった。
だけど私を一人にしたのはお兄ちゃんが私を思ってくれていたから、そのことが解ったから私は素直に今を受け入れることが出来る。
私はとても大切に思ってもらっていたんだね。
大好きなお兄ちゃんの為に私は何でも出来るよ。
400年の時を超えることも怖くない。
お兄ちゃんが誰かの手にかかって志を果たせぬまま死ぬことを防げるなら私はどこにでも行くことができる。
怖くないっていえば嘘になるけど..
お兄ちゃんの役に立ちたいの。


