私と出逢う前のお兄ちゃん。
寂しそうに水瓶を覗いている。
悔しそうに唇を噛み締め、だけど瞳はとても寂しそう。
見ているだけで胸が苦しくなるお兄ちゃんの姿。
「どうしてこんなことになったのだ。」
お兄ちゃんの形の良い唇から零れる言葉も後悔の言葉ばかり...。
苦しいと全身が訴えていた。
触れることの出来ないお兄ちゃん。
触れることが出来るのなら私がその震える背中を擦ってあげたい。
何も出来ないことがとてももどかしい...。
もどかしさに唇を噛み見ていると場面が変わった。
「見つけた。待っていたよ紫衣。」
冷たい笑みを浮かべたお兄ちゃんは私の知らない人みたいだった。
唇の端を片方だけ持ち上げた笑顔。
綺麗な冷たいお兄ちゃん。


