勝利の女神になりたいのッ!~第1部~



私と出逢う前のお兄ちゃん。


寂しそうに水瓶を覗いている。


悔しそうに唇を噛み締め、だけど瞳はとても寂しそう。


見ているだけで胸が苦しくなるお兄ちゃんの姿。




「どうしてこんなことになったのだ。」



お兄ちゃんの形の良い唇から零れる言葉も後悔の言葉ばかり...。



苦しいと全身が訴えていた。



触れることの出来ないお兄ちゃん。


触れることが出来るのなら私がその震える背中を擦ってあげたい。




何も出来ないことがとてももどかしい...。


もどかしさに唇を噛み見ていると場面が変わった。




「見つけた。待っていたよ紫衣。」



冷たい笑みを浮かべたお兄ちゃんは私の知らない人みたいだった。


唇の端を片方だけ持ち上げた笑顔。


綺麗な冷たいお兄ちゃん。