チャプンと波打つ水瓶。
覗き込むとお兄ちゃんの姿が映った。
綺麗でまるでお兄ちゃんの周りだけ光が射しているように見えた。
水瓶に映るお兄ちゃんは知らない男と人と話している。
寂しさを埋めるために私は夢中で水瓶の中のお兄ちゃんの姿に見入っていたんだ。
「俺は誰も犠牲にしたくないのだ。」
お兄ちゃんが男の人に話している。
犠牲ってもしかして私のこと?
橋の向こうに行くといったお兄ちゃんを焦ったように止めようとする男の人にお兄ちゃんは天に運命を委ねると言う。
いったいどういうこと?
犠牲って私なの?
私の為に長く思い続けた事を諦めたの?
お兄ちゃんの後姿が橋の向こうに消えていった。
だけどお兄ちゃんは以前橋向こうにいた人達が入っていった洞窟には入らない。
橋向こうにそのままお兄ちゃんは留まっているの?


