広い世界にたった独り取り残されたような寂しさを埋める為私はお兄ちゃんと並んで座った場所に戻り、腰を下ろした。
お兄ちゃんにいつもかけてもらっていた羽織を頭から被ると広い世界がとても小さな空間になったような気がする。
気休めだってわかってる。
けれど嘆く事しかできない自分にウンザリし始めていたんだ。
私に残されたのは羽織と水瓶と一通の書状。
私の頭の上から広がる羽織の中で書状を抱きしめた。
小さな世界を作り上げて羽織に残るお兄ちゃんの匂いに包まれて安心できた。
ただの気休め。
それでもお兄ちゃんを感じていたかった。
それから私は羽織の中から手を伸ばし水瓶を手繰り寄せた。
水瓶は私とお兄ちゃんの過ごした時間を知っているもの。
そう思うと水瓶さえも愛おしい。


