「良君、免許合格おめでとう!」 「サンキュー紫衣。 オヤジの車借りてドライブ行こうな。」 いつも良君は私の頭に掌を押しつけるようにしてグリグリと私の頭を撫でつけるんだ。 私は良君の大きな掌が頭にのっかるのが大好きだった。 だけどいつもと違うのは良君の表情。 目を細めて私を見てくれる優しい瞳が私を見てくれなかった。 不思議そうに良君を見る私の頭をポンポンと叩いて良君は私を見ないまま口を開いたんだ。 「卒業旅行は車出せるようにオヤジに交渉するし… 練習もちゃんとしなくちゃな。」