久代「これは・・・・・!?」


久代は振り返ったが、ドアは消えて、荒れ狂う波と浜辺はどこまでも続いていた。



久代は茫然と海を見ていた。



"バシャバシャ・・・・・・バシャバシャ"



海の中で不自然に波が立っている場所があった。


突然、荒れ狂う波は・・・・・・怒りを静めるように治まり、暗黒の空からは一筋の光が真っ直ぐに海の一点を射した。



"バシャアァァァァン!"


海の中から"何か"が現れた。




??「我は!



海の神・・・・・・・ポセイドンの使いで参った!


名はない!」




久代「あ・・・・・・・っぁ・・・・・・っ」







突然現れた、大きな悪魔のような怪物の威圧感。



耳に響き続ける恐ろしい声。




久代の膝はガクガクと震え、何もしゃべれなくなった。



"あっ・・・・・・・うぅっ・・・・・・・はぁ・・・・・・・・・・・・はぁ"



それどころか、久代には見えない何かに心臓を握られているように・・・・・・



呼吸の仕方を忘れてしまっていた。