九重 龍二。



彼はものごころついた時から、数字を追いかけ続けた。



小学校の帰り道に存在する電柱の数、石ころの数、飛んでいる蝶の数。





九重は"数"を・・・・・追いかけ、数え続けた。



そして、家までの歩数が違うと、体の成長を実感するのだった。





九重の数え上げは、"正確"であった。




誰に言われるでもなく鍛え上げた、その"正確さ"は・・・・・・・"異常"とも言えるものだった。




九重は、狂いのない論理性を求め、数学へと向かう。