逃げ道なし!

そして・・・・・気がついた。


神谷の指先から、細い糸のようなものが延びている。


"なんだっ?
どっかで引っかかっのか・・・・・・?"



神谷は糸に手を伸ばして払った。



しかし糸は振り払う事はできない。



"なんだっ?
この糸・・・・・・・・・"


神谷は自分の身体をよく見てみた・・・・・・・・・。


細く・・・・・・・"鋭い"、糸のような針が幾つも、体中に引っ掛かっていた。


それは着ている服を貫き、皮膚にめり込んでいる。





そして、糸は、上へ延びている。



"うっ!"


神谷は突然、小さくも、鋭い痛みを感じた。





「おっ!!!
かかった!
かかったぁぁぁぁ!
ウヘヘヘヘェ!」



菅原の声が上の方から・・・・・・・・聞こえてくる。



神谷に掛かった針は、外そうと"もがけばもがく"程、余計に、食い込んでいく。



神谷「っつう!やべえ」


神谷の体に、めり込んだ針は、少しずつ上へ、動き始めた。


"ギリギリギリギリ"




神谷の左肩の皮が、剥げはじめた。


「うっあぁぁぁ!」



数カ所にめり込んだ針は、神谷の体を少しずつ・・・・・・・・・・・少しずつ、上へ持ち上げていった。