神谷は、薄暗い廊下を走り続けていた。


もうどれくらい走ってるか・・・・神谷には想像もつかない。


今まで生きてきて、こんなに緊張した事なんてなかった・・・・。


"ブルブル"


ポケットの中に入っていた、携帯が震えている。


神谷は携帯を取り出した。



宛名不明の・・・・メール受信を不思議に思ったが・・・・神谷はメールを開いた。


"見ぃ〜つけた"



気味の悪い単文に・・・・・・神谷は息を呑んだ。




"ズズズズズ"



薄暗い廊下の先から・・・・・地面を伝って・・・・何かが近づいている。



神谷は冷静に様子をみていた。



地面を這ってくるものは・・・・這ってはいなかった。


地面と同化した・・・・"影"だった。


神谷の数メートル手前で影は止まった。


"!?"


そして影は、二次元から三次元へと神谷の前に広がり始め・・・・・天井に届きそうな位まで広がった。



そして真っ黒な映像は・・・メビウスの輪のようなヒネリを繰り返すと、急に静止した。



"みぃつぅけたよぉぉ・・・・・・・・"

不気味な声は廊下をつきねけ何処までも響いていく・・・・・そんな気迫を神谷は感じた。