授業中、急にもよおした田中は冷や汗がでていた。


学校では未だに友達ができず、クラスでも小・中とあまり目立たないできた。

成績も良くはなく、"ほんと"に目立たなかった。

さらにメガネをかけててあまり人と話さない田中は、暗い奴だとクラスの人は思っているだろうと考えていた。


そしてクラスの皆も田中を暗い奴だと思っていた。


授業中に急に"トイレに行ってもいいですか?"なんて、田中には言う勇気はなかった。


田中は、教科書を読むふりをしながら。


必死で時間が経つのを待った。


秒針が動く度に腹が痛み、顔が青ざめ血の気が引いていくのが自分でもわかった。


そしてそれを悟られまいとするのに、全神経を集中させた。


だが、余計に鳥肌を要して、冷や汗はでてしまうのであった。