そして木下は・・・・・・・・・下を見た。


さっきまで、元気に話していたハズの・・・・・・・"斎藤"が、仰向けに倒れていた。



木下「えっ貴子?
・・・・・・・・・ウソでしょ?」


木下はあっけにとられて、目を離すことができず、暫く見入ってしまった。


"動かない斎藤"の近くの木の上から・・・・・・・・小さい真っ黒な物体が、ナメクジのように・・・・・・・・いくつも、"ぐにゃぐにゃ"と這い出てきた。



それらは、斎藤にたどり着くと・・・・・・・・・張り付き、何かしている。



斎藤の体はみるみるうちに、細い皮と骨になっていった。


"ぐにゃぐにゃ"した物体は・・・・・血管のようなものが透けている外観を、はちきれんばかりに・・・・膨らませていく。



木下はなにがなんだか分からず、横の教室をみてみた。


席についたまま誰も・・・・動かなかった。


"固まっていた"


斉藤は、また教室の奥の窓から見える・・・・・・・校庭をみた。

暗い校庭の中、校門だけ"光輝いている"

明らかに、この異様な雰囲気とは別だった。

木下はここにいたらダメだ。


わけがわからないが、校門の光に行けば助かるかも、いや行かなければ"終わり"だと感じた。


木下は玄関へ向かって・・・・走り始めた。