上野「お前・・・・・・・・・昨日フラフラだったろ!
コンクールは大事だけど、無理すんなよ。
なんでそこまで無理してんだか知らないけど・・・・・・少し休んでろよ。」


そして、上野は次のコンクールの曲を弾き始めた。


木下と上野二人だけの部室の中で、上野の弾く・・・・・綺麗な音色が広がり始めた。



木下は、"ドキッ"とした。


木下はあまり積極的に人に話し掛けられなかったし、まして人気のある上野だったから、尚更だった。


そんな・・・・・話したことなんて2〜3言だけの、上野に自分の心を見透かせられたような気もした。



木下は座りながら目をつぶっていたが、時々目を開けた。


そして、目の前に見える、ピアノを弾いている上野の顔を見ると・・・・・・・・・・心臓の"鼓音"が全身を駆け巡るような錯覚に陥り・・・・・・・・木下の身体を余計に熱くしたした。



"鼓動"が聞こえてるかもしれないと、木下は少し不安になった。



上野が木下の方を見た。


木下は慌てて目をつぶり眠った振りをした。



上野「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


上野は再びピアノを弾き始めた。





その日から、木下は上野に"惹かれていた"