「あ、いた。いたよ、望。」 声が聞こえた。慌ててうっすらと浮かんだ涙を拭いた。 昇降口から、三人の女の子がやって来た。一人は見覚えがある。同じクラスの菅沼さんだ。 「ほら、いってきなよ。」 二人に押され、彼女は僕の前に来た。