「こ、小林さん・・・。」
名前を呼ぶだけで、心臓が破裂しそうになる。それでも僕は彼女を呼び出した。
学年が変わったら、彼女と違うクラスになるかも知れない。その思いが、僕に思いきった行動をとらせた。
「あ、あの・・・あのさ・・・。」
彼女はいたって冷静だ。
「何、用って？」
「ちょっと聞きたいんだけど・・・。」
「だから、何？」
淡々とした口調が、僕に諦めろと言っているようだ。
「小林さんって、付き合っている人いるのかな？」
「いるよ。」
「・・・。」
何も言えない。ショックでどうしていいのか、全然思い浮かばない。
「用ってそれだけ？じゃ、行くね。彼氏待たしているから。」