彼女は、ベッドの上に腰掛けている。
目の前で、それを見ていても、とても信じられない。
「こっちに来たら?」
さっきまでの彼女とは思えないほど、執拗に、そして悩ましく僕を誘ってくる。
「あ、うん。」
完全に、彼女の方が上手だ。ぎこちなく、彼女の隣に座った。
「何?緊張しているの?」
少しバカにしたような言い方だ。
「ち、違うよ。ただ・・・。」
「ただ・・・?」
「喉が乾いただけ。」
全く理由になっていない。
それでも、今、このままでいたら緊張で、また失敗してしまいそうだ。
立ち上がり、冷蔵庫からビールを取り出した。