「こんにちはっ」
原さんの腕からそっと解かれたあたしが挨拶を返すと、頭の上に優しい重み。大きな原さんの手の温もりがあたしにじわりとしみ込んだ。
「こんにちは、すばるちゃん」
女の人は少しかがんであたしに笑いかけてくれた。その笑顔は柔らかで優しくて、ピアスだのなんだので躊躇った自分が少しだけ恥ずかしく思えた。
「アタシ、ミユキ」
「ミユキさん…?」
繰り返すあたしと目線を合わせ、ミユキさんは大きく頷いてみせる。
鮮やかな色とキラキラ光る爪先が、なんだかとても綺麗な……世界で一番の宝石みたいに思えた。
手のひらをひらひらさせてミユキさんは続ける。
「すばるちゃんの髪、綺麗な色だねえ……それに、ふわふわしてる」
ミユキさんがあたしの髪をすくって耳にかけながら言うと、ふんわりしたフルーツの香りが鼻をくすぐった。
「いいなー、羨ましい!」
「……でもっ、ミユキさんも」
ミユキさんの髪もくるくるで可愛い。
くるくるが固まってるけど、固まってない。ちゃんと一本ずつがふわふわなのに、くるくる。
真っ直ぐに落ちるあたしの髪とは違う……すごく、不思議だなって思う。


