まだ二十にも満たないすばるが国家機関に在籍する理由として、ある「特異能力」が彼女に備わっていることが挙げられる。


すばる自身その事について自覚は無いのだが、国は“保護観察”という名目で監視下に置いていた。







当時小学生だったすばるは、社会科の学習で校舎の屋上にいた。
多くの子供たちが街並みを眺め、特徴を思い思いに表す中、ひとりの教師が異変に気付く……皆瀬すばるが居ない。
屋上への道はひとつだけ、自分がそこにはいた。なのに生徒がひとり、見当たらない。
最悪の事態がアタマをよぎった。







「せんせー!」
生徒に呼ばれて振り返り、驚愕した。
「……なッ……!?」
「すばるちゃんが、とんでる!!」