「まぁな。
とりあえず、俺は前線のダチを放っといてふてくされてるよーな真似はしねぇよ」
叩いたその左胸に光る、特務隊の章。若草色の服の襟を整えて御堂に原は向き直る。
ふふ、と小さく聞こえた含み笑いに原も軽く口角を上げた。
「…ま、暴れてきなさいな」
敬礼を返して開いたままの扉から飛び出した、原の遠慮のない足音に苦笑する。
御堂が立ち上がると、椅子の背もたれが音を立ててしなった。一面ガラス張りの窓から空を見上げる。
「こんな国どうなろうが構わねえ、か……」
ため息まじりのつぶやきが青空に吸い込まれて消えた。


