「すばるぼしっ…?」 ぱ、と表情が華やぐ。 安原の表情がまた緩む。 「プレアデス……」 呟きながら、すばるがチョコレートを指先でつついた。 その表情の柔らかさに、安原は少し安堵していた。 「皆瀬」 ふと自分を呼ぶ声に顔を上げ、すばるはその声の主を視界に入れる。 ん、と促され、すばるは手をぱっと開いた安原の真似をして両の手のひらを上に向けた。 「ほら、」 テーブル上に整然と並ぶ星団をそっと手に取り、すばるの手のひらに落とす。 「お前の星だ」