ビニールがこすれる音と共に、チョコレートの袋がすばるの目の前、テーブルの上に落ちてきた。

すばるは不思議そうに安原を見る。

「……隊長?」

安原はどっかりと床にあぐらをかいて座る。

「ちょっと待て、皆瀬」


言いながら、大きな手を袋の中で行き来させた。



アルファベットを探しているのだ、とはすぐわかった。




アルファベットチョコの袋から、好きな文字のチョコを取り出す──すばるだって、いつもそうする。

だから何も言わずに、安原の手を見つめていた。



「む…、」

机の上にはチョコレートが6つ。
思った文字がないのか、安原は真面目な顔で袋の中で手を回す。