「すばるは、もうここには戻らない」 その言葉に周囲が騒ついた気がした。三浦は軽く重心を落とす。 「………何処に逃がした?」 ガサ、と茂みをかき分けて現れた男の手には鈍く光る銃。 「すばるが居ないと知ってからは早いんだな」 「質問に答えろ」 にっと頬を上げて、三浦がゆっくりと指差したのは銀色が組み合わさった武装組織の要塞……《トリカゴ》。 「すばるは素直で、頑張り屋で、諦めない……だから来ない」