「皆瀬……?」 安原は小さく、隊員の名前を呼んだ。瓦礫と黒煙に閉ざされた視線の先、トリカゴ東側Bブロック。 きっと大丈夫だろう。 三浦が居る。 最悪の想像を掻き消して視線を前方に戻せば、海と空の境界から立ち昇る鮮やかなオレンジ色が頬を焼いた。 眩しい。 無条件に熱く、揺らがない光。 視線を捉えて放さない空気の中、突然聞こえたノイズに安原は我にかえった。 受信機が喋りだす。 『第5解析班、大型敵機を確認!3時の方角!総員、認識要請!』