「……んだよ、アイツ」 茶色の瞳にうつる2人を見送りながら、頬をそっとかきながら原伸吾はぼそりと言った。 確かに安原葵は穏やかだし、人情のある男だ。 が、一人の隊員に固執することは無い。その割に、あの小さな航空隊員には随分目をかけているように思えた。 「まぁ…嬢ちゃんのコトもあるしな」 それに、皆瀬すばるに目をかけている点では自分もまた同じだ。小さく苦笑する。 身長差のある2つの影が、廊下の角を曲がって消えた。