「ねぇ」 「ん?」 「お名前は?」 「ダメヒーロー1号」 「ふぅん」 オレンジの光が段々と薄闇に呑まれていく。 確かに、そこにいるのに。 「………っくしょん」 大きい方の影が少し揺れた。 少年の無遠慮なくしゃみ。 少女の頬が 微かに緩んだように見えた。