太陽が天高く昇り、 沈んでゆく頃。 何時間こうしていただろう? 開いたままのドア。 部屋側に少女、廊下側に少年。 形だけを見れば、背中合わせに座っているだけの光景。 だが、2人の間は 夜の渓谷のように深く、厚い。 オレンジ色の光が2人の頬を紅く染める。 小さい方の影が少し揺れた。 「…まだ、待つのか」 「待つもん」 「そうかよ」