「…おじいさま!」 祖父の背中へ飛び付く少女の重みに、物腰柔らかな老人がふんわりと応えた。 「おぉ、よく来たな」 「お手伝いしに来たの!」 そうかそうか、と笑って老人は席を立つ。 「おじいちゃんが出かける間のお留守番、…できるかの?」 「…できるよっ!」 皺だらけの顔がくしゃりと笑う。 「おじいさま」 少女がしゃがみこんだ祖父の頬にキスをした。 「……いってらっしゃい」