ショットガンは装填から発射へのタイムラグが大きい。 それにしても、避けることなど常人には不可能に等しかった。 ……人並外れた動体視力。 そんなもの、たかが知れている。 原伸吾は、その「経験」と「勘」を信じ、敵陣を一人駆け抜けていく。 敵方が数十メートル程先から近距離で発砲してきた。銃弾を紙一重でかわす。 近づくほどに、危険は増す。 そろそろ向こうも自分を捉えたのだろう。 しかし、十分に時間は稼いでいる。 菅谷はもう帰還しただろうか。