「あたしね、ここがすきなの」 がらがらと音を立ててコンクリートの山が崩れた。その上に立つすばるは、まだ薄暗い外の光をひとつに集めたようで、ぼんやりと、淡い。 けれど、確実にそこに居た。 「みんなが居るから。あたしがここを好きな理由は、それだけでいいの」 そうか、と応えた三浦の視界が揺らいだ。