「みうさん!」






すばるが三浦の手を取って走り出した。

「すばる!どうした!?」
「ダメです!あそこに居ちゃ、ダメ!!」


「それ…どういう、」






まだ日の昇らない朝、三浦の頬を真っ白な光が包んだ。遅れて爆風が身体を叩く。思わずすばるを抱きしめ、宙に浮く身体を無理矢理下に移動させた。


「……っ!!」


地面に叩きつけられた四肢を起こし、地面にしゃがんだまますばるに向き直る。
「大丈夫か?すばるっ」
「あたしはげんきです!…みうさん、は」
「…俺も、げんきだっ」

すばるの真似をする三浦。少しの間心を落ち着け、2人は立ち上がった。
その瞳に宿るのは“軍人”の魂。


「少女」も「父」も居ない。











「ALBM、です」
すばるは迷い無くそれを口にした。




ALBM(Air-Launched Ballistic Missile)
直訳すれば、「空中発射弾道ミサイル」。

空機の搭載能力、及び作戦時間は地上基地や艦船とは比較にならないほど低いものの、一点を狙う強度は通常の銃とは桁違いだ。