「みうさん」 「ん?どした、すばる」 「みうさんのおうちの話、聞かせてほしいの」 「俺の?」 「そう。みうさんと、みうさんのお嫁さんと、みうさんのこどもの話がいい」 そう言ったきり、すばるは黙って空を見上げていた。 三浦が小さく息をつく。 「(……家族、か)」 すばるに、家族の話。 少し躊躇ってしまう。 西空のオレンジ色が濃くなる。 「みうさん」 すばるの声に、肩が震えた。 「あたし、全部知ってるからだいじょーぶだよっ」