ずずずっ、とモノを引きずる音。何故かそれは空から聞こえた。





「………やってくれるわね」




「奴ら」はまだ機動力を失っているはずだと油断していた。国家のライフラインを断つ為の重要施設ばかり狙ってきていたこともあって、まさかこの《トリカゴ》を狙うなんて――――。






“壊像”は確かに動き出した。







特務機動隊長官・御堂香織は立ち上がると手元のブザーを鳴らし、小さなマイクに向かって叫んだ。




「総員緊急配置!各隊長官は長官室へ!…急ぎなさい!!」