「聞け、皆瀬」 凛とした声にすばるは思わず身を堅くした。 「………はい」 いいか、と安原が続ける。 「度を過ぎた我慢は許可せん」 「………!」 目を点にして、すばるが安原を見つめた。 「お前ひとりの我慢……俺は求めてなんかいない」 ひとりきりの我慢ほど 痛いものなどないのだから。 「お前ひとりが耐えることなど、絶対に許さん」 権力に拘束されたまま 『他人の為に』苦しむなど 俺の部下に させてたまるか…―――