「……え…」
思わず声が漏れた。
ちょんちょん、と安原がすばるの頬をつつけば、それに従って何粒もの宝石がぽろぽろと降り注ぐ。
「まったく…我慢のしすぎだ」
「うー……だって、」
だってじゃない、と言いかけた安原がさっとすばるの手をとった。
「た、たいちょう…?」
ふいの行動に驚いたすばるが顔を上げる。
「……内出血してるぞ」
すばるの手のひらには4つの赤い爪痕が残っていた。
人間、気がつくまでは何も感じなかったのに、気が付いてからは何故かよく痛むもので、すばるもまた例外ではなかった。
「手のひら、ひりひりしますっ」
「それはそうだろうな、青くなったらもっと痛くなる」
思いのほか心配そうに言う安原がそっと手のひらを撫でた。


