ぱたぱた。 紺野利樹は、角の向こうから駆けてくる可愛らしい足音を聞いた。 「ひゃっ!!」 刹那、腰元にぶつかるのは優しい衝撃。 「すばるちゃん」 皆瀬すばるは、あわあわとしながら俺に謝罪しようとする。 「ご、ごめんなさ、」 その唇に人差し指を軽く当てた。 女の子の慌てるカオは嫌いじゃない………けれど。 「キミは笑ってなきゃダメだよ」