「嬢ちゃんっ…」 原さんが呼ぶ。 あたしはそれを耳に届いた音としてのみ、感じた。 安原隊長は、なにか考えてるときのカオであたしの肩を見透かす。正確には、あたしの向こう側。 原さんの目を見つめていた。 「すまないな」って、安原隊長は謝った。 その瞬間、原さんは怒ったときのカオで隊長に何か言った。あまり意味は取れなかった。 だけど、多分「ありがとう」とか「すきだよ」っていう気持ちとはかけ離れたものだと思った。