頬に鉄の塊が触れた。 途端、熱気が皮膚を焼く。 鉄塊の回転にまかせて頬の肉がねじ切れる。 思わず体重を後方に反らす。 吹き出す鮮血を左の手の甲でぬぐう。右腿のホルスターへ手をやる。ひんやりとした鉄の感触を感じる。 構える。 歪む視界。 音が消える。 狙う。捕える。 頬の痛みと熱がまざりあっていた。