一樹のお通夜も葬式もあっと言う間に終わってしまった。

心のどこかであたしは一樹が帰ってくるんじゃないかって思ったままで居た。

もちろん、一樹は帰ってこない。


今までは毎日一緒にいたのにね。



一樹に会えない苦しさに、あたしはどんどん堕落をしていった。ご飯は食べても
吐いちゃうし、眠ったら一樹の夢を見るから寝られなかった。


一週間で体重はぐんと減り肌は荒れてクマもひどくなった。


あたしは心の底から一樹に会いたかった。






「おまえ、大丈夫かよ」

「……は、この姿見ていうの?」


そんなあたしに声をかけたのは悟だった。あのお通夜の日、軽く話した後に一応
電話番号を交換しておいた。一樹が居なくなった悲しみを分かち合えるような気
がした、あたしの心の拠り所。

悟はあたしの部屋に来て、あたしの姿を見て言ったのだ。おそらく葬式の時とは
全然違っているのだろう。

大丈夫なはずがないのだ。



「そんな姿してっと、一樹が悲しむぞ」

「………悲しんで欲しいよ」

「、は?」

「悲しんでくれたらいいよ、苦しんでしまえばいい。あたし置いてかれたんだか
ら」

「おまえ何言ってんだよ」

「一樹はっ…あたしとは違う女の子助けて、そのこのために死んだんだよっ?」

「……」

「こんな苦しいことないよ」


嫉妬だった。
一樹が命を懸けて守ろうとしたその女の子に対する。

なんであの子のために?!

そんなこと、考えるべきじゃないって分かってるのに。悔しくてたまらないんだ



「……ごめん、悟」

「…大丈夫かよ」

「あ、たしどうしたらいいかっわかんないの……」



いつき、一樹、

あなたに会いたいよ