春が来るまで…

僕の隣は…




喜美だった…




僕は口をパクパクして何も言えなかった。




しばらく机から見える黒板の位置の確認や、仲の良い遠くにいる友達に手を振ったりしていた喜美が、僕の方を見て微笑んだ。




『よろしくね、和樹君!』




喜美が僕の下の名前を読んだ!




チャーンス!!




『こちらこそよろしく、喜美ちゃん!』




勇気を振り絞って、真似して下の名を読んだ。




心臓が口から飛び出そうなほどドキドキした…。