春が来るまで…

僕も喜美も、お互いのことを親に話していない。




照れくさかったのと、まだ恋愛なんて早いと言われるんじゃないかと思ったから…。




担任の中田先生は、僕たちを両肩に抱いて『青春だなぁ!』と笑ったことがある。




とても優しい笑顔だった。




僕たちの親も、こんな風に受け入れてくれるだろうか?




十三歳の僕には、まだわからないことばかりだった。