春が来るまで…

喜美の動きが一瞬止まる…。




自分の持ったシャーペンでノートに何か書こうとして、やめ、両手でシャーペンをいじっている。




長い時間が過ぎた…




授業の声も、周りの音も何も聞こえない。




自分の心臓の早鐘のような音と、喜美がシャーペンをいじる小さな音だけが、僕の耳に届いた。